今朝は早く起こされた。
「そといくー!」
重たい瞼を開けて時計を見れば午前3:45。カーテン越しの外はまだ薄暗い。「まだ朝じゃないからもう少しねんねしよう」と息子の胸をトントンするけれど全く眠りそうにない。無駄な抵抗をしても自分が疲弊するだけなのを経験から学んでいるから、諦めが肝心。思いきって息子を抱っこして外へ連れ出す。
外はもう少しずつ明るみ始め、東の空は赤く染まって美しかった。電線に並ぶツバメの鳴き声がいつもより賑やかで、何か話しているのか、歌っているのか。姿は見えないけれど他の鳥たちの鳴声も空に響いている。車も走っていないし、当然人の気配もない。いつもの散歩コースを歩く。腕の中でスーとまた眠ってしまった息子を見てやれやれ、来た道を引き返す。
いつもより鳥たちや草木が生き生きと感じられて、この世界は人間を中心に回っていると無意識のうちに勘違いしている自分に気がつく。
みんながまだ寝ているこの時間を歩いていると誰よりも早く今日を迎えられたような気がして、思いの外贅沢な時間だった。