春ノチ晴レ日記

茨城の片田舎でちいさな人と生きる毎日。発見したこと、作ったものの記録

とうもろこしと矛盾

知り合いの知り合いからとうもろこしを10本頂いた。

田舎では畑で採れた作物や多めに料理したものを御裾分けするのは日常茶飯事だけど、流石にとうもろこし10本は多い方だ。

訳を聞くと、都内で販売する予定だったが、虫が出てきたせいで全てキャンセルになってしまったそうだ。私のところに10本巡ってきたということは一体全部で何本あったんだろう、会ったこともない農家さんを心配してしまう。とうもろこしは虫が付きやすいから、我家の畑で採れたとうもろこしは虫食いだらけなんてよくあることだ。そもそも虫が食べているということは余計な農薬や殺虫剤を使用していない何よりの証なのに。

スーバーで売られているものは棚に並んだ瞬間にきれいな“商品“となり規格の大きさや形以外のものは弾かれる。お肉だって元々の動物の姿が想像できないから平気で買い物できるのだ。商品となった途端に自然界から随分と遠ざかってしまう。そして、私も普段は何の疑問も持たずに平然とその商品を見定め消費するひとりだ。私自身がその市場の仕組みを作ってしまっているのだ。

なんて事を思いながら、大好物のとうもろこしにありつけた事がとても嬉しくて、早速全部茹でた。そして10本は流石に多いね、と3本をお隣さんに御裾分けした。

茹で上がったとうもろこしは虫食いなんて全然無くて、粒の並びはうちのとうもろこしより断然綺麗で何よりとても美味しかった。

 

↓湯気でスモーキーな写真になりました、茹でたてぴかぴかとうもろこし。

話は変わって、先日訪れたとあるお店の庭先にぶどう棚があった。

店主が「ぶどう、種無しにしようと育てていたんだけど、ホルモン剤を使用しないといけないことがわかってやめたんだよね〜、種があった方が自然だもんね」と。

なるほど、種が無いって食べやすい!と疑問も持たず呑気に食べていたけれど、種がないということは子孫を残せないように操作してるということだ。調べてみると、開花期の房をジベレリンというホルモンの溶液につけることで種なしのぶどうが出来上がるそうだ。ジベレリンは元々植物が持っているホルモンで安全性が確認されているというが、本当に本当に安全なのだろうか。人間が人間様だけのために自然をコントロールしようとして、後々そのツケが回ってくるんじゃないだろうか。

もう種なしぶどうは買わないと心に決めながら、もし知人から種無しシャインマスカットが送られてきたら、間違いなく大喜びでありついてしまうだろうなとも思う。

私は日々、色んな矛盾と共に生きている。