春ノチ晴レ日記

茨城の片田舎でちいさな人と生きる毎日。発見したこと、作ったものの記録

人生の先輩

写真家中川正子さんの新刊エッセイ「みずのした」を読んだ。

昨年10月に50歳を迎えた彼女。日記、ブログ、SNSなどで過去に綴ってきた自身の言葉を振り返りながら、今の彼女が過去の彼女に向けて語りかけるような往復書簡だ。

ネットで注文した本が手元に届いてからは、息子が眠った後にごくごくおいしい水を飲むように夢中になって読んだ。明日のことを考えればさっさと眠った方が良いのは重々承知の助。けれどページをめくる手がなかなか止まらない。

育った環境もキャリアも行動力も性格も違うけれど、いくつかの共通点があった。20代、30代にがむしゃらに働いたこと。30代後半で息子を出産したこと。書くことによって自分を発見していること。中川さんと私は丁度10歳違うから、10年後の自分と重ねてどこか他人事じゃないような気がしてくる。

未来に想像を膨らませたり、過去の出来事に強く共感したり、それでいいよと励まされたりしながらの読書体験は豊かな時間だった。

『いまも定期的に自分を点検する。つい、待っていないか。既存の考え方にぼんやりと巻き取られていないか。「普通はさ」とは、くだらないこと言ってないか。ちゃんと疑っているか。変わることを面倒くさがっていないか。』

 

私も自分自身に問いかけ続けたい。面倒くさがりで三日坊主、思考が固まりやすい自分にぴったりの言葉をいただけた。先輩、ありがとうございます。