春ノチ晴レ日記

茨城の片田舎でちいさな人と生きる毎日。発見したこと、作ったものの記録

夏よ、あと少しだけ。

今年も我が家のスイカは豊作だった。

美味しいスイカを作る秘訣は肥料に米糠を混ぜること。

いかにも私が育てているみたいだけれど作っているのは私ではなく、主に世話をしているのは父で私は専ら食べる専門である。

畑にごろごろと実った小玉スイカは毎日ほぼ三食、水代わりに飲むように食べていた。毎日食べていると大好きなスイカの味にも飽きてくる。収穫に消費が追いつかなくて、近所や友人にも配って歩いた。そんな永遠に無くならないと思っていたスイカも残りひとつとなった。実に名残惜しいと思いながら、少しずつ何度かに分けて味わって頂いた。

九月に入って急に秋らしさを感じる。

昨晩は随分と涼しくてタオルケット一枚では肌寒いほどだった。夜中に目が覚めて隣で大の字になって眠っている子どもにぴたりと身を寄せて暖を取る。子どもの体温は高いから湯たんぽ代わりだ。

今年の暑さも尋常じゃなくてあんなに秋が恋しいと思っていたのに、いざ秋の気配が近づいてくると夏が急に恋しくなる。ちょっと待ってまだ行かないで夏よもう少し、あと少しだけ。 私はとことん未練がましい。週末にはまた猛暑になる予報なので、その時が来ればやっぱり早く来い秋、などと都合の良いことを思うのだろうな。

何でも、まだまだ沢山あると思うといい加減になって、残り少なくなると思うと急に輝きを増してしがみつき手放したくなくなる。スイカも夏も大切な人との時間も自分の人生も。

ケイトウの花が夏の終わりを教えてくれる。

私にとっては、鶏の鶏冠よりも脳みそに見える。

一日一日、集中して生きたい。